ちゃんと描いてますからっ

書影

読んでてなんだか嬉しくなった。私の好きな感じの星里もちる作品。ホームドラマ寄りのテイスト。

逃げた父親漫画家の代わりに描かざるをえなくなった中学生を主人公に据えたコメディ。

近年は、ネットのおかげか、若い才能が世間に露出する機会が増えた気がする。中学生くらいなら、父親の代理でペン入れできちゃうかも、と思わせるギリギリの説得力がいい。

少し前の星里もちる作品だと「家計を支えないと…」と追い詰められちゃう方向性もあったと思うんだけど、私はこのくらい軽く明るく進んでいくお話が好きだ。深見じゅん作品にもそういう「深刻になりすぎない適度な脱力感」があって、そこが好き。

家族の関係とか、中学生の一途さ、真面目さと成長みたいなテーマは『わずかいっちょまえ』に通じるところもあって、これもまた嬉しい。

往年のコメディ路線を思い出させるメタなギャグ
往年のコメディ路線を思い出させるメタなギャグも好き

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