わたしのペンネームは「もがみ」という。本名が間違われやすいこともあり、読みやすく間違われにくいように平仮名で書くようにしている。
本名とは何ら関係なく、最上川とも無関係。
一部実名が期待される環境を除いて「もがみ」で名乗るため、本名を知らない友人もけっこう多い。妻も私を「もがみさん」と呼ぶことが多いし、その影響で妻の実家の人間は皆「もがみさん」と呼ぶ。
あるとき、病院で「もがみさん」とナースが呼び出す声に、私もカミさんも立ち上がりかけ、待てよ、ペンネームを伝えたはずはないぞ、と思ったら、隣に座っていたご夫婦が「もがみさん」だった。すわ、本物のもがみさんだ! と色めき立った。向こうにしてみれば迷惑以外のなにものでもなかろうが…。
それはさておき、ライター仲間の知人が「是非読んで欲しいのです」と教えてくれたのがこの『コンシェルジュ』。メインキャラクターの一人で伝説のコンシェルジュ、グレイト・ハイこと「最上 拝(もがみ はい)」がいるためだ。
物語や漫画の登場人物で「もがみ」姓が登場するものは寡聞にしてあまり知らない。『艦これ』に「最上」はいるが、しかしあれは最上川のことだし。
おもてなし
最初、絵柄に少し違和感があったが、読むうち慣れた。
コンシェルジュという「ホテルの何でも屋」があらゆる無理難題を解決する痛快物語であり、主人公である川口涼子の成長物語でもある。
「おもてなし」とはいかにあるべきか…という最上の哲学がなかなか興味深く、読み進めて飽きない。物語の中心が、次第に川口涼子にシフトしていくところ、そして彼女の持つ資質が開花していく様子は見ていて楽しい。
kindle unlimited
今回、kindle unlimitedに入っているのを発見し、改めて読み返した。ホテル業界の「2007年問題」が取り上げられている辺り、時代を感じる。今ならさしずめオリンピック年の2020年問題だろうか……。
しかしながら、これが全部unlimitedで読めたのはなかなかお得感があった。
関連作品
- 『コンシェルジュ プラチナム』
- 『コンシェルジュ インペリアル』
『コンシェルジュインペリアル』は未読。